健康診断とは
健康診断は、自覚症状が出にくいのが特徴で、放置が続けば重症化しやすいとされる生活習慣病の罹患の有無やメタボリックシンドローム※の判定など病気の早期発見・早期治療や、各種検査等によってご自身の健康状態を把握し、維持増進や病気の予防に努めるといったことを目的に行われるものです。症状が出にくい病気は、病状を進行させやすくするので、定期的に健診を受けられるようにしてください。
なお健康診断には様々な種類があるわけですが、当院では、特定健康診査、職場健診、自費健診などを行っています。
※メタボリックシンドローム:内臓脂肪型肥満(腹囲が男性85cm以上、女性が90cm以上)の方で、以下で挙げる3つの項目のうち2つ以上の項目が該当する場合にメタボリックシンドロームと判定されます。
- ① 早朝空腹時血糖値が126mg/dL以上、または75gOGTTの2時間値が200mg/dL以上、もしくは随時血糖値が200mg/dL以上
- ② HbA1c値が6.5%以上
診断基準について
糖尿病は主に血液検査によって、発症の有無を診断していきます。基準となる数値については次の通りです。
- トリグリセリド(中性脂肪)の数値が150mg/dL以上、またはHDL(善玉)コレステロールの数値が40mg/dL未満
- 収縮期血圧(最高血圧)が130mmHg以上、または拡張期血圧が85 mmHg以上
- 空腹時血糖の数値が110 mg/dL以上
このような状態にあると生活習慣病と診断されなくても動脈硬化を促進させやすく、さらに進行すると脳梗塞などの脳血管障害や虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)などの重篤な病気の発症リスクが高くなります。
特定健康診査(特定健診)
生活習慣病に罹患しやすい、あるいはメタボリックシンドロームと判定されやすい世代の方(40~74歳)を対象とした健診で、「高齢者の医療の確保に関する法律」に基づいて実施される健診になります(75歳以上の方は、後期高齢者医療制度に加入していることが大半なので、同制度による健診を受けることになります)。
同健診の結果、生活習慣を見直すことで、肥満、高血圧、高血糖、高コレステロールなどが改善されるという場合は、専門スタッフ(管理栄養士、保健師 など)による特定保健指導(リスクに応じて、動機付け支援、積極的支援があります)を受けるようにしてください。
主な検査項目について
調布市で実施している特定健診では、以下の検査が行われます。
- 問診
- 診察
- 身体計測(身長、体重、腹囲)
- 血圧測定
- 血中脂質検査(LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪)
- 肝機能検査(AST、ALT、γ-GTP)
- 血糖検査(空腹時血糖、ヘモグロビンA1c)
- 尿検査(尿糖、尿たん白)
※年齢や条件によっては、追加で行う検査項目もあります。
職場健診
職場健診とは
労働安全衛生法第66条に基づいて行われる健康診断のことで、事業者は労働者に対して医師による健康診断を実施しなければならないとしています。この健診のことを職場健診あるいは企業健診といいます。同健診には、一般健康診断や特殊健康診断などがあるのですが、当院では一般健康診断の雇入時の健康診断、定期健康診断を行っています。
雇入時の健康診断(雇入時健診) |
---|
事業者は常時使用する労働者を雇い入れる際は、その労働者に対して、下記の項目について、医師による健康診断を行わなければなりません(労働安全衛生規則第43条)。 |
|
定期健康診断(定期健診) |
---|
事業者は常時使用する労働者に年1回(深夜業や坑内労働などの特定業務従事者は年2回)以上、定期的に下記項目の健康診断を行わなければなりません(労働安全衛生規則第44条)。 |
|
※身長・腹囲、胸部X線検査、喀痰検査、血液検査(貧血、肝機能、血中脂質、血糖)、心電図については、医師が必要でないと認めた場合には、省略することができます
自費健診
自費健診とは
医療機関で身体の各部位や臓器の異常の有無などを健康診断として受診したいという場合は任意となります。したがって健康保険は適用されず、全額自己負担となります。これを自費健診といいます。
同健診の利点としては、自治体が実施する各種健康診断のように決められた項目を受けるということがありません。そのため自ら受けたい項目を選択して受診することができます。検査内容の詳細については、受付にてお問い合わせください。
同健診の結果、新たな病気が発見されたのであれば、それに対する診療に関しては健康保険が適用されます。